不動産用語集

あ行

IT重説

不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を利用して対面以外の方法で行なうこと。宅地建物取引業法が定めている重要事項説明における対面原則の例外である。

IT重説の導入に当たっては、関係書類を十分に確認できること、双方向で確実にやりとりができること、宅地建物取引士が実際に説明することなどの要件を満たすとともに、消費者が不利益を被らないよう措置する必要がある。そのための条件等について検討・検証が進められ、不動産の賃借に当たっての重要事項説明に限って、一定の条件を満たす場合に、IT重説を対面による説明と同様なものとして認める運用がなされている。

RC

「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

一時金

毎月支給される給与以外の、一時的に支払われる給与をいう。賞与、ボーナス、期末手当等がこれに該当し、通常、年2回支給される。

一時金の性格については、経営上の業績等に応じて支給される特別の手当て、または、毎月の給与を補填するべく支給される生活給とする2つの考え方がある。しかし、いずれにしても給与であることに変わりはない。

ウィークリーマンション

短期間の居住のために賃貸されるマンションをいう。「短期賃貸マンション」ともいわれる。

家具、家電製品、食器・調理器などが備わっていて、一時的な滞在の便を満たすことができる。また、賃貸住宅に比べて賃貸借の手続きが簡単である。

ウィークリーマンションの営業は、旅館業法による宿泊営業または不動産賃貸営業(貸室業)のいずれかにあたるが、その基準は明確ではない。一応の目安として、賃貸期間が1ヵ月を超えていれば貸室業であるとされている。

ウィークリーマンションを宿泊営業に充てる場合には、旅館業法による許可が必要で、一定の設備の設置等が求められる。

SRC

「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。

オーナーチェンジ

賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。

購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。

か行

貸主

不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。

不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。

この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。

 貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。

 なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

管理費(賃貸物件の~)

賃貸マンション・アパート、貸家において、借主が貸主に対して毎月支払う金銭であって、賃貸物件の管理のために必要とされる費用のこと。
共益費」と呼ばれることもある。

共益費

賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。

建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。

なお、法律上の用語としても「共益費」が使われるが、これは同一の債務者に対する各債権者に共通の利益のために要した費用のことである。
例えば、ある債権者が債務者の財産を保存すればそれは他の債権者に利益にもなるので、そのための費用は共益費として、他の債務者に優先して弁済を受けることができるとされる。建物の賃借人が負担する共益費は、これとはまったく別のものであるから、注意を要する。

空室対策

賃貸住宅やビルの経営において、賃借人(テナント)がいない住戸(空室)を解消することまたはそのための方策をいう。

空室対策は、借し主のニーズにより良く応えることを基本として実施される。
例えば、賃借人の属性を広げる、家賃、敷金など賃借条件を適正化する、リフォームリノベーションなどによって賃貸スペースの価値を高めるなどが行なわれている。

グルニエ

アティック(attic、アテカともいう)と同意。

屋根裏部屋のこと。グルニエ・アティックとは、もともと古代建築の記念門の上部につくられた部屋であったが、転じて屋根裏部屋の意味になったといわれている。

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

原状回復

ある事実がなかったとしたら本来存在したであろう状態に戻すことをいう。

例えば、契約が解除された場合には、一般に契約締結以前の状態に戻さなければならないとされる(原状回復義務を負う)。また、損害賠償の方法として、金銭で補償するのではなく損害が発生する以前の状態に戻す方法(原状回復による賠償)が認められる場合がある。

借家契約では、退去時の原状回復義務を特約していることが多いが、「本来存在したであろう状態」にまで戻せばよく、借りた当時の状態にする必要はないとされている。つまり、契約に定められた使用方法に従って通常の使用をしていれば、経年劣化があってもそのまま返還すればよい。

国土交通省が公表した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(1998年3月、2004年2月改定)によると、賃借人が負担すべき原状回復費用は、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」の範囲に限るとしている。また、東京都の「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(賃貸住宅紛争防止条例、いわゆる東京ルール)」(2004年10月施行)では、重要事項説明の際に、借主に対して退去時の通常損耗等の復旧は貸主が行なうことが基本であること、入居期間中の必要な修繕は貸主が行なうことが基本であること、契約で借主の負担としている具体的な事項などを書面で説明しなければならないとしている。

更新料(借地契約における~)

普通借地権旧法上の借地権に関する借地契約においては、存続期間が満了したとしても、地主の側に契約更新を拒絶するだけの正当事由がない限りは、地主は契約の更新を拒絶することができない(借地借家法第6条)。そのため地主は、契約の更新について異議を唱えない代わりに、借地人に対して更新料を請求するケースが多い。更新料の金額は土地の価額の5%前後であることが多いようである。

さ行

サブリース

賃借人が第三者にさらに賃貸することであるが、特に、住宅の管理を手がける事業者が賃貸住宅の所有者から住宅を一括して賃借し、それを入居者にさらに賃貸するという賃貸住宅経営の方法をいうことが多い。この場合、一括して賃借する事業者を、サブリース事業者という。

賃貸住宅の所有者は、賃借人の募集、家賃の設定や改定、住宅の管理などの業務に責任を負うことなく賃貸料を得ることができるが、サブリース事業者とのリスク分担や空室の取扱いなどについて明確にしておく必要がある。

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

スケルトン・インフィル

スケルトンとは骨組ともいえる躯体や共用設備、インフィルは、住戸専有部分の内装・間仕切りや設備。これらを分離させることで、耐久性と可変性が得られる。略してSI(エス・アイ)ともいう。

また、集合住宅において、インフィル部分を入居者の要望により間取りや使用を自由に構成する方式をスケルトン方式という。

集合住宅において、入居者の要望により各住戸の間取りや仕様を構成する方式の住宅。集合住宅においても、生活様式の多様化に対応した注文住宅を実現できるように考えられた手法。スケルトン(骨組ともいえる躯体や共用設備)とインフィル(住戸専有部分の内装・間仕切りや設備)が分離することにより、耐久性と可変性が得られる。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

専有面積

分譲マンションなどの区分所有建物において、それぞれの区分所有者が単独で所有している建物の部分のことを「専有部分」と呼ぶ(区分所有法第1条・第2条)。

この専有部分の床面積が「専有面積」である。

従って、専有面積とは「区分所有者が単独で所有している専有部分の床面積」のことであり、具体的には各住戸の内部空間の床面積を指している。

分譲マンションの販売広告では一般的に「専有面積60平方メートル、他にバルコニー5平方メートル」のように床面積を表示していることが多い。

バルコニーは専有面積から除外される扱いとなるが、これはバルコニーは一見それぞれの住戸に付属しているように見えるが、法律的にはバルコニーは「共用部分」とされているからである。

なお区分所有建物の場合、専有面積には「内法」と「壁心」という2種類の計算方法が存在し、両者の計算方法による専有面積の大きさは異なったものとなるので注意したい(詳しくは「専有面積の広告表示」へ)。

相続

死者の有した財産上の一切の権利義務を、特定の者が包括的に承継することをいう。

相続は、死亡のみによって、意思表示を要せず一方的に開始される。ただし、遺言により相続の財産処分について生前に意思を明らかにし、相続に反映させることができるが、この場合には、遺留分の制約がある。

財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。

遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。

なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。

た行

宅地建物取引士

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた者のこと。

宅地建物取引士は、一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者である。宅地建物取引業者は、事務所ごとに従事者5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければならない(詳しくは宅地建物取引士の設置義務へ)。

宅地建物取引において特に重要な次の3つの業務は、宅地建物取引士だけが行なうことができるとされている(宅地建物取引士ではない者はこれらの業務を行なうことができない)。

1.重要事項説明
2.重要事項説明書への記名・押印
3.37条書面への記名・押印

宅地建物取引士となるためには、具体的には次の1)から5)の条件を満たす必要がある。

1)宅地建物取引士資格試験に合格すること
宅地建物取引業に関して必要な知識に関する資格試験である宅地建物取引士資格試験に合格することが必要である。なお、一定の要件を満たす者については宅地建物取引士資格試験の一部免除の制度がある。
2)都道府県知事に登録を申請すること
この場合、宅地建物取引に関して2年以上の実務経験を有しない者であるときは、「登録実務講習」を受講し修了する必要がある。
3)都道府県知事の登録を受けること
登録を受けるには一定の欠格事由に該当しないことが必要である。
4)宅地建物取引士証の交付を申請すること
宅地建物取引士証の交付を申請する日が宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「法定講習」を受講する義務がある。
5)宅地建物取引士証の交付を受けること
氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている宅地建物取引士証の交付を受けて初めて正式に宅地建物取引士となる。

宅地建物取引士は、宅地建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護および円滑な宅地建物の流通に資するよう公正誠実に業務を処理するほか、信用・品位を害するような行為をしないこと、必要な知識・能力の維持向上に努めることとされている。

築年数

建物完成後の経過年数をいう。

通常、建物登記簿の表題部に記載された「登記原因及びその日付」をもとに判断できる。

一般に、築年数が古いほど、建物の老朽化や損傷、設備の陳腐化がより進行しているが、日常的な管理の状況や、リフォームの有無、マンションの大規模修繕の時期などによってその程度に大きな違いがある。

なお、不動産広告では、建築年月が表示されている。

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

土地面積や部屋の広さを測るときの単位。1坪おおよそ3.3平方メートルに相当する。

土地の売買契約においては、一般的に「1辺を6尺(約1.818m)とする正方形」が1坪であるという慣行が成立しているものと思われる。この慣行に従えば、1坪とは約3.3058平方メートルであるということができる。

なお不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、土地の面積や建物の床面積を広告で表示する場合には、必ずメートル法によって表示することとされている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第19号)。

ただしメートル表示と同時に、坪表示も併せて表示することは可能である。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

ディンプルキー

シリンダーの作動によって制御される錠(シリンダー錠)の一つで、シリンダー内に並べられたピンの制御を、表面に多数の小さなくぼみ(ディンプル)が付いている鍵によって行なうものをいう。

鍵のパターンが非常に多く、鍵の複製が難しいのでピッキング(鍵穴に器具を差し込んで解錠すること)対策に優れているとされる。

都市ガス

市街地に配管したガス管によって広域に供給されるガス燃料。

供給されるガスは、大半がメタンを主成分とする液化天然ガス(LNG)である。発熱量等に応じて規格が定まっていて、ガス器具もそれぞれの規格に適合していなければならない。規格の種類はいくつかあるが、ほとんどの都市ガスの規格は「13A」である。

なお、液化天然ガスは無色、無臭であるが、安全のために匂い(ガス臭)がついている。また、空気よりも軽い。

取引態様

不動産広告における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のこと。

不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によれば、不動産広告を行なう際には、不動産会社の取引態様が「売主」「貸主」「媒介」 「代理」のどれに該当するかを明確に表示しなければならないとされている。

ただし、「媒介」については「仲介」という言葉でもよいこととされている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第1号)。

な行

内見

不動産物件を実地に見学・調査すること。一般に、購入または賃借を検討するために実施する。

「内覧」とはほぼ同じ意味で使われている。

内覧

一般の人への公開に先立って、限定した人々に非公式に披露すること。

展覧会やイベントにおいて行なわれる場合が多いが、販売予定のマンション等を、あらかじめ登録した者などの見学に供することも内覧である。     

内見」とはほぼ同じ意味で使われている。

入居審査

住宅を賃貸するときに、賃借人としての適否を判断することをいう。貸し主またはその代理人が賃貸契約の締結に先立って行なう作業である。

入居審査に当たっては、賃借料の支払い能力、住宅利用の適切さなどを確認するのが一般的であるが、定まった基準はない。契約は双方の自由意志によるから、貸し主として自由に判断してよいが、不当な差別や人権侵害となることは避けなければならない。


また、地建物取引業者は、
ア)賃貸住宅の申込みに際して「本籍」欄や「国籍」欄のある申込書は使用しないこと
イ)入居審査のために得た情報について、目的外に使用しない、第三者に提供しない、安全に管理すること
などが求められる。

延床面積

建築物の各階の「床面積」の合計のこと。

なお、容積率を算出する際には、次の部分の床面積は延べ面積から「除外」できる扱いとなっているので、注意する必要がある。

1.自動車車庫・自転車置場に供する部分の床面積(床面積の合計の5分の1まで)
2.建築物の地階(その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものに限る)の住宅の用途に供する部分の床面積(住宅の用途に供する床面積の合計の3分の1まで)
3.共同住宅については、共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(限度なし)

は行

バルコニー

建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダともいう。

バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共用部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。

またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

フローリング

木板や木質材料による床板のことを一般に「フローリング」という。

フローリングには、単層フローリング(無垢材(一枚の厚い天然木単板)を多数敷き詰めたもの)と、複合フローリング(単板を重ねて表面に天然木単板を接着した板材を多数敷き詰めたもの)の2種類がある。

近年では、コストが安く、変形・伸縮が少ない複合フローリングが主流となっている。

フローリングには下階に床衝撃音が響くという短所がある。これを克服するには、フローリングとクッション材を複合した商品(複層フローリング)を使用することが有効である。

壁心

建物床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

なおこの「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。

保証人

債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う者をいう。保証人は、法的な行為能力があり、かつ、弁済する資力がなければならない。

債権の回収を確実にするための方法は、財産への請求権を確保する方法(物的担保)と、債務者以外の人への請求権を確保する方法(人的担保)があり、保証人は人的担保のしくみである。

保証人の責任は、保証人が債権者と書面で保証契約を結ぶことによって効力が生じる。保証契約によって負担する債務が「保証債務」である。

保証する債務は、特約のない限り、主たる債務(債務者が元々負っていた債務)のほか、利息、違約金損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含するとされている。例えば、借家人の保証人は、借家人が滞納した家賃だけでなく、明渡しに際しての原状回復などについても責任を負うことになる。

人的担保は、保証人に予期しない負担を負わせ、大きな被害を与える可能性がある。そこで、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって、保証人の保護を強化するべく、次の規定が定められた。
1)個人の保証人については、保証契約時に債務額が確定しない保証(信用保証、身元保証、賃貸借上げ保証など)の場合にはその限度額を定めなければならず、その額を限度に履行責任を負うこと(限度額を定めなければ保証契約は無効となる)
2)事業用の融資に係る経営者以外の保証人については、公証人による意思確認手続が必要であること
3)保証人に対し、主たる債務者の財産等の状況(事業用の融資に係る場合)、主たる債務の履行状況及び期限の利益の喪失に関する情報を提供すべきこと

ま行

前家賃

建物の賃貸契約の際に支払う翌月分の家賃。ほとんどの家賃は月払いであるが、契約時には、契約月の家賃を日割り計算して支払い、さらに、前家賃として翌月分の家賃を加えて支払うことが多い。

なお、家賃が発生する日付は、契約日とする場合が多いが、入居日からとする場合もある。

民泊

旅行者等が一般の住宅に宿泊すること。

この場合に、有償で反復継続して宿泊を提供すれば、宿泊営業に該当し、旅館業法の許可を得なければならない(「簡易宿所営業」「下宿営業」)。そして許可を得るには、一定の設備の設置等が必要となる。

一方、賃借人が部屋等を自ら管理し、「生活の本拠」とする場合(期間は1ヵ月以上とされる)は、部屋等の賃貸は貸室業であって、旅館業法の宿泊営業には該当しない。 

このように、民泊を営業することについては規制がある。しかしながら、民泊を仲介する情報サービスの出現、安価なホテルの不足、観光客の宿泊需要への的確な対応の要請などを背景に、民泊を広く活用するための規制緩和が必要であるとの意見がある。他方、良好な住宅街での営業や、マンションなどの部屋を民泊に利用することは、悪用の可能性、治安上の不安、居住マナーの悪化などの恐れがあるとして、緩和を危惧する意見も強い。

そこで、両方の意見を参酌して「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が制定され、民泊の営業等について規制を緩和するとともに、業務のルールが定められた(2018年6月15日施行)。

住宅宿泊事業法が定める主なルールは、1)住宅宿泊事業に関する規制、2)住宅宿泊管理業に対する規制、3)住宅宿泊仲介業に対する規制である。たとえば、年間提供日数が180日を限度とする民泊の営業(条例で、区域を定めて営業実施期間をより短く制限することができる)については、旅館業の許可は不要であるとする一方、都道府県知事等への届出を必要とし、一定の衛生・安全の確保、宿泊者名簿の備え付け、標識の掲示などの義務を負うこととされている。

なお、農山漁村で体験民宿を営む(農家民宿)場合は、別途、旅館業法の規制が緩和されている。

メゾネット

マンションにおいて、上下2階にわたる住戸のことを「メゾネット」という。

上下に広い空間を確保し、一戸建てのような内部空間を作ることができる。

木造

建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。

木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。

や行

家賃保証会社

賃貸住宅の賃借人が負う家賃支払債務について、連帯して保証する会社。

家賃保証会社の連帯保証責任は賃借人との保証委託契約によって成立する。委託契約の締結に当たっては、家賃保証会社が賃借人の家賃支払能力等について審査するのが通例である。


契約が成立すれば、賃借人は保証料を支払い、家賃保証会社は、賃借人が家賃支払債務に関して不履行が生じた場合に賃借人に代わって代位弁済する。この場合、代位弁済した家賃保証会社は賃借人に対する求償権を得ることとなる。

家賃保証は、従来、連帯保証人によることが多かったが、保証人に予期しない負担を負わせる可能性があること、保証人を依頼することが難しいことなどから、それに代わって、家賃保証を業務とする営業(保証ビジネス)が広まった。

家賃保証会社は、賃貸人の債務負担能力の審査、代位弁済した家賃の求償などを担うことから、健全な業務運営を確保し、賃借人の利益を保護する必要がある。そこで、国土交通省は、家賃保証会社が登録するしくみ(家賃債務保証業者登録制度)を創設した(2017年10月)。この制度によって、登録した家賃保証会社は、保証業務の実施に当たって、契約前の重要な事項に関する説明・書面交付、賃借人毎の弁済履歴を記録した帳簿の備付け、受領した家賃等についての自己の財産との分別管理、暴力団員等への求償権の譲渡等の禁止などのルールを遵守しなければならないとされている。

ユニットバス

槽、天井、壁、床などを工場で成形・製造し、現場で組み立てる方法で設置する浴室をいう。和製英語である。

部材がモジュール化されていて、工期が短く、防水性に優れ、品質が安定しているとされる。一方、サイズや素材の選択には限りがある。

なお、浴槽だけでなく、洗面台やトイレをセットにしたものもある。

ら行

リノベーション

新築を除く住宅の増築、改装・改修、模様替え、設備の取替えや新設などの改造工事を総称してリノベーションという。

リフォーム、リモデルなどとも。

既存建物の耐震補強工事もリノベーションの一種である。

リフォーム

建物の構造強化、機能向上などを図るための改修をいう。リフォームの種類には、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、耐久性向上化などのための工事がある。

リフォームへのニーズは、既存建物の有効活用、既存住宅流通の活性化、良質な住宅ストックの形成などの要請によって、今後高まっていくと考えられている。また、これを促進するためのリフォーム減税が措置されている。

一方で、リフォームは、その目的や内容が多様で幅広いこと、リフォーム前の建物の状態がさまざまであることなどの特徴がある。そのため、リフォームのための技術・技能や費用を標準化するのが難しい。また、リフォームによって高まるであろう不動産価値を評価する手法は十分に確立されているとは言い難く、リフォームを不動産価格に反映するしくみも十分ではない。リフォームに対するニーズに応えるためには、これらの課題に取り組まなければならない。

ルーフバルコニー

マンションにおいて、下の階の住戸の屋上部分を、上の階の居住者のためのバルコニーとしているものを「ルーフバルコニー」という。

通常のバルコニーと比べて広い空間を確保することができる。

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。

連帯保証人

保証人(債務者が債務を履行しない場合に、その債務を債務者に代わって履行する義務を負う人)のうち、債務者とまったく同じ義務を負う保証人をいう。

通常の保証人には、催告の抗弁権(債務の履行を請求されたときに、まず主たる債務者に催告をなすべき旨を請求する権利)および検索の抗弁権(債務者の財産について執行するまで自己の保証債務の履行を拒むことができる権利)が認められるが、連帯保証人にはこれらの権利がない。つまり、債権者はいきなり連帯保証人の財産対して執行することができる。一般的に、銀行融資や消費者金融からの融資の際に求められる保証人は連帯保証人である。

ロフト

次のような3つの意味がある。

1.屋根裏の空間を利用して造られた部屋
2.床から天井までの高さが大きい部屋において、天井近くに設置された物置等に利用できる空間
3.1つの住戸内において、2つの部屋が上下に連続した形で造られているとき、上のほうの部屋

わが国では、主にマンション・アパートで2.の意味で使われることが多い。

わ行

ワンルーム

一部屋で構成する住戸又はその間取りをいう。居室(リビング)、浴室・トイレ、キッチンを備えている。英語でOne-roomとつづれるが、意味上は和製英語である。

「ワンルームマンション」は、ワンルームで構成された集合住宅又は住戸そのものをさすが、その間取りは、一つの居室とキッチンスペースとが仕切られ、キッチンが独立しているタイプのものが多い。一方、「ワンルーム」のなかには、部屋に間仕切りがなく、キッチンスペースを含めて一部屋だけの住戸もある。

不動産の間取り表示において、キッチンスペースが仕切られているワンルームを「1K」、仕切られていないワンルームを「1R」と区別する場合がある。